05.専門性を持つ

図工の時間に教師は何を教えればいいのか

投稿日:2019年9月18日 更新日:

図工の時間に対する教師の向き合い方は,大きく分けてふたつありそうです。

ひとつは,

「自分は自分が図工が苦手なのでとても教えられない,自信がない,自分が教えるより子供が自由に作品を作るほうがいい」

といって,子ども放任になるパターン。

ふたつめは,子どもの絵や作品作りの技術を上げて,素晴らしい作品をつくらせるために一生懸命本を読んだりして学び,それらの技術で子供の表現力をあげようというパターンです。

どちらがのぞましいかといえば,どちらも半分望ましくて半分望ましくないです。

ひとつめの放任型。

これは,子どもの自由な表現を尊重するという点では望ましいですが,放任になるのはのぞましくないです。

ふたつめの教え込み型

これは,子どもの表現技能を向上させようとする点では望ましいですが,ときに子供のニーズや発達段階お構いなしに,教師が頭に描く「素晴らしい作品」をつくらせようとするところが望ましくないです。

では,何が望ましいかというと,2つのパターンのよいところをとればいいのです。

子どもの自由な表現を尊重しながら,子どもが必要としている技能を伸ばしてやる指導をするのです。

むずかしそうですか?

実は、それが,子どもにとっても教師にとってもどちらにとってもいいのです。

子どもは,何が何だか分からない表現をおしつけられることもなく,今の自分が表現したいようにすることができ,表現に没頭するという図工にとって大切な学びをすることができます。

そして,したいことができないとき,それを可能にする方法や技術を教師や友達から習い,表現技能を向上させていくのです。

教師にとっては,自分の芸術に対する知識や技能があまりなくても「教えられない」といって悩む必要はありません。

困っている子どもに必要な技術だけ教えてやればいいのです。

子どもがしたいと思ってできないことは,たいてい大人の教師にはできます。

しかし,感覚を働かせないといけないこと,つまり,「ここをどんな色にしていいかわからない」などという悩みは,教師は相談に乗ってもいいけど,いくつか提案をするだけで,選択は子どもということが大事です。

この自己選択で,子どもの表現力はのびていくのですから。

教師は,教えなければならないことだけおしえてやればいいのです。

それは教科書に載っていることです。

教科書に載っていることなので,日本全国誰が教えても同じ内容です。心配する必要はありません。

それ以外のことは、教えることではなく,子どもが成長とともに学び取っていくことなのです。

たとえば,

「顔と体のバランスがおかしいね」とか

「画面構成としては,この辺に大きんな人をおいて」などです。

顔と体のバランスなどは,その子どもの認知の発達によるものが大きいのです。

大人にとってはバランスがおかしくても、子どもにとってはそのバランスがいいと思っているのです。

それをおかしいということは、子どもは自分の発達に自信を失ってしまいます。

また,画面構成など,人によって好みが違うこともあります。

その好みをおしつけることになってしまっては,子どもが自分で好みをつくっていくことができなくなります。

つまりこうです。

「教科書に書かれていないことまでおしえる必要はない。むしろ教えるのではなく,子どもたちの関係の中から学び合えるようにしてやるのかいい」

「教える」ことは,教える人の能力以内でしかありません。

絵の描き方を教えたら,子どもは教える先生の能力の範囲内でしか成長できないのです。

しかし,学ばせることは,教師の能力関係なしに,子どもは成長することができます。

では,具体的にどうしたらいいのか。

それは,授業の最初に教科書を使って教えることをさっさと教えてしまって,あとは,だまって子どもが絵を書いている姿,ものをつくっている姿をたのしめばいいのです。

楽しむとは,興味を持つということです。

「ここはこんな色にしたんだなあ」

とか

「あ,ここにこれをつけるんだなあ」

とか,

興味を持って子供の表現,自己選択の様子を見るんです。

そしてその姿を写真に撮ってあげる。

それが価値付けになり,評価になります。

子どもにアドバイスする必要はありません。

子どもと対話してください。

相談してくるときも,「そうなの,こうしたいんだねえ」と対話をしているうちに,自分で解決法を口に出しはじめます。

「そうだ,こうしてみよう」

くるっとまわって自分の席にもどり,また表現に没頭し始めます。

教師はそれをにこっと見つめて,また他の子供の表現をみて楽しむんです。

おとなりや,グループの中で自由に話ができる環境を作ってやってください。

先生に「これでいいですか」と聞きに来るんじゃなくて,お互いに承認し合ったり,聞きあったりする関係をつくってやればいいのです。

子どもたちはその中で,自己解決し,成長していきます。

教師はなんにも大変じゃないでしょう。

引き出してやるだけですから。







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