学校の廊下を軽快に走ってくる子供。
「走ると危ないよ。止まりなさい」というのですが、全く止まりません。どんどん走ってきます。
「危ないから止まりなさいよ。」そう言って、腕を広げて止めてあげます。
その時になって、はじめて「え?僕のこと?」というような顔をする子供がいます。
「あなたですよ。走っていたんだよ」というと、ああ、そうか、という顔。
全く自分が走っていたのだ、という感覚がありません。
1年や2年の子供にはよくあることです。
時には高学年になってからも自分が何をしているのか気づかないでいることがあります。
そういう子供に「走ってたでしょー」というと、
「走ってないもん!」と言います。
でも、それはその子供にとっては正しいのです。自分が走っていたとは思っていない。うそをいっているわけではないのです。
本人に認めさせるには、走っている最中に気づかせてあげなければなりません。
なぜ、こんなことが起こるのでしょうか。
大人でも、「貧乏ゆすりしてるよ」と言われて初めて自分が貧乏ゆすりしていたことに気づくことがあります。 ああ言ったものなのでしょう。
大人は自分の体の認知がかなり広いので自分が何をしているのかなら気付くことができやすいですが、子どもはオートパイロットで動いている部分がかなりありそうです。
子供に「何何してたでしょ。だめよ」と注意したら「してないよ!」と子供が答えた時、嘘を言っているわけではない場合があるというお話でした。
子供には、その場で気づかせてあげましょう。「今、危ないことしてるけど,気づいてる?」というように。