日本は、すでにその経済力においてアジアの国々に抜かれています。
いくらかつての日本がジャパン・アズ・ナンバーワンであったとしても今は違います。
かつて日本人がアジアの国に出かけて安くてよいサービスを楽しんだように、今は、アジアの人たちが日本の安くて質の良いサービスを求めにやってきます。
すごい経済発展を続ける中国、シンガポール、タイなどに、日本はもう追いつかないのだと思います。
昔はすごかったけど、今も十分すごいよねーと、内輪で褒めあっているだけでは、どんどん落ちていきます。
必要なのは、自分たちはもう一番でも、二番でさえもないことをみとめて、栄えている国々と協力して一緒に栄えること、そのマインドだと思います。
やれ嫌韓だ、やれ爆買いだ迷惑だ、と言って、ヘイトスピーチしたり、自分たちだけで、「日本の下町の技術すごい!」「日本人のマナーすごい!」などと言って褒め合ったりして閉じこもったりするのではなく、勢いのあるアジアの人たちと,一緒に豊かになるためのパートナーとして仲良くしよう、というマインドを持つべきだろうと思うのです。
では、どうするのか。
学校教育では、この点以前からよくやってきました。アジアのことをよく知って良きパートナーになろうとする教育は、特に総合的な学習の中でよく行われています。
ただし,気をつけなければならないことは、「過去の過ち」など,政治的なことに結びつけていくような授業。そういう価値判断は大人になってからできるようになればいいので,特に小学校ではすべきではありません。
では,家庭ではどうでしょうか。
保護者の思い,ふるまいは子どもにそのまま影響します。保護者の創り出す環境は,子どもたちを,将来アジアの人たちをパートナーとしていっしょに栄えていこうとする気持ちを育てるものになっているでしょうか。
これからの子どもたちは,かつての日本の栄光を知らない子どもたちです。そして勢いのある中国,シンガポール,タイなどの人たちが身近にいることを経験していきます。いっしょに働くこともあるでしょう。
今の子どもたちは,これらの人と,自然に付き合える人に育って行ける素地は十分あると思います。