授業研究や、研究授業の旅に配られる指導案。
授業前に熟読しておいてメモを入れておき、授業中は気づきや改善点、疑問などを書き込んで協議会で生かします。
その指導案、協議会が終わったらファイルに綴じ混んで,そのまま放置していませんか。だとしたらとてももったいないですよ。
メモが書き込まれた指導案は、自分の授業への気づきの宝庫なのです。
私の教育観をもとに、もてる授業技術や教科についての知識、これまでの経験を総動員してできあがった、現時点での私の教育における最高の知的生産物です。
それは、自分の教育観の醸成のために蓄積される価値のあるもので、指導案に書かれた学んだことや気づきのメモを書きぬいてためておくことで、自分の授業力向上に役立つ貴重なデータベースとなり得るものです。
しかし、私がそのことに気づいたのは教師になってからもうずいぶん後のことでした。
ずいぶん長いこと、私は自分の指導案は大事にとっておいても、他の教師の指導案はただファイルに綴じておくだけ。時には年度が変わったり学校を異動したりするときに捨ててしまったことさえあります。
なんて勿体無いことをしてしまったのかなと思います。
中には異校種勤務のときの、今の勤務校では見ることのできない貴重な指導案も含まれています。
それに気づいてからは、私は、指導案を明確に授業力向上データåベースのソースであると位置づけ、振り返りによって気づきをや学びを書き出し、蓄積するようにしています。
ただファイルしてとっておくだけでもいいかもしれませんが、振り返ることと、自分のフィルターを通した気づき、学びを取り出して整理しておくことが大事だと考えています。その方が意識に残りやすいし、必要なときに取り出しやすいからです。
幸運なことに今でも残っている昔の指導案などを,ときには眺め直してみて、10数年前の、ときには20年以上も前の自分の書き込んでいる気づきから、今の自分の成長を確かめてみるのもいいなと思っています。