「走るな」といっても止まらない。「腕をまっすぐ伸ばせ」といっても曲げたまま。どうする?
2018年05月15日
子どもが教室でとびはねていたり、ろうかを走っていたりします。
すると、私たちは「静かにしなさい!」とか「走ってはダメ!」などと注意しまよね。
ですが、当の本人にはまったく聞こえていないことがあります。
教師の注意などとこふく風。
飛び跳ね続けたり、止まらずにどこまでも走っていったりします。
でも、決して言うことを聞くつもりがないわけではありません。
自分が走っているとか飛び跳ねているなどの感覚がないから、教師の声がまったく耳に入らないのです。
「先生、なに大声で叫んでるの???」という感覚です。
ですから、まずは子ども自身に、今、自分がどんな状態にあるのか気づかせてあげないといけません。
走っている子どもに「今、走っているんだよ。気づいている?それが走っているということなんだよ」と気づかせるとうことです。
教師の言う「走る」という言葉と、実際に自分が走っている時の感覚。
これを結びつけてやることで、子どもはやっと走っている自分の感覚に気づくことができるんです。
「腕をまっすぐ伸ばしなさい」
そういっても子どもは伸ばしません。
でも、やる気がなくてだらっとしているのではなくて、自分の腕が曲がっていることに気づいていないんです。自分は真っ直ぐに伸ばしているつもりなのです。
いや、そんな子どももいますよ。でも多くの子どもは一生懸命にやってるんです。
「腕を水平になるまであげなさい」も同じです。
180度どころか、120度程度の開き具合までしかあげられない子どもがいます。
これも同じように自分の腕が水平になっている状態への気づきがないのです。
ひじに手を添えてあげてそっと曲げ、「ほら、肘が曲がっていたでしょ。のばすっていうのはこんな感じになることだよ」という指導が必要です。
同窓会の時、大人になったその時の子どもから、「あの時、先生が肘を持ってまっすぐにしてもらって初めて曲がっていることがわかった」と聞いたことがあります。
子どもの自分の体への気づきというのはそのようなものですよね。