まずは,40歳でシンギュラリティを目の当たりにすることになる今の6年生の子どもたちは,いったいどのような力を身に着けていたらいいのでしょうかというあたりから考えてみたいと思います。
その最初のカギは,仕事。
「あと10年で今の仕事の半分はなくなる」
オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授が論文で述べてからもう何年もたっています。
学校では,キャリア教育を盛んに行っています。将来健全な税金の納税者として成長してもらわなければなりませんので,未来の自分がどんな仕事につきたいのかをさまざまな仕事を調べたり,インタビューをしたりすることを通して考えるのです。
しかし,「将来,こんな仕事に就きたい」というその仕事が大人になるころにはない可能性がある。
そうした仕事はすべてAIがとってかわっており,「私の入る余地はない」というような状況になっているかもしれません。
今ある仕事に就くということでは,パイの奪い合い。
たくさんの仕事に就けない若者がでてくるでしょう。
じゃ,どうするのか。
「とにかく,やってみよう。失敗したらやりなおせばいい」
そういうことを考えられる力が必要だと思っています。
運よく雇われたその仕事に,終身雇用され続けるということ自体がなくなっていく。
終身雇用など崩壊した現在、
退職までの間に2度3度リストラされることが当たり前になる時代。
今の価値観、生活設計の感覚などはまったく役にたちません。
その時必要になるのは、「ジタバタする力」だと思っています。
失敗は前提。まずやってみる。だめなら別の方法に変える。
そういうことをくるくる変えていく力が求められると思います。
そのために学校、保護者がしなければならないことは、失敗を何度でも許して再挑戦を促すことです。
失敗は当たり前。失敗した時にどのように切り替えるか、その方法や落ち込まないメンタルなどを育てていく必要があると思っています、
わたしは、まだ、バブル期真っ最中の時代から「ジタバタするんだ。カッコ悪く生きるんだ。」と子供たちに伝えてきましたが、今、その方々がいる40歳になります。もしかしたら、役立ってくれているかもしれません。
なぜならその方々の子供が40代でシンギュラリティを経験する年代だからです。
その方々の子育てに少しは役に立ってくれていたらありがたいです。